ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第97章 大丈夫じゃない2人
五条先生…
綺麗な瞳に納得させられてしまいそう。
五条先生の優しさに甘えたくなってしまう。
でも、ダメなのそれは。
だって、
「五条先生はアメリカに行かなくちゃ……」
わたしが留学に行けなくても、未来が大きく変わることなんてない。
けど、五条先生は違うから。
わたしに合わせて、大事なチャンスを手放したりなんかしちゃいけないんだよ…
「もともと、ひなが留学するって言ってくれなかったら、断るつもりの話だったんだ。だから、俺もアメリカには行かない。ひなと一緒にいるよ。」
「五条先生。」
五条先生が言い終わると同時に、頬に添えられた五条先生の手を取って、
「わたしなら大丈夫です。五条先生はアメリカに行ってください。」
その手をそっと頬から剥がした。
「大丈夫じゃないだろ…。」
「大丈夫です。」
「大丈夫じゃない。」
「大丈夫です…っ!」
抱きしめようとする五条先生も拒んで俯く。
「大丈夫って言ってるじゃん…。置いて行かれるなんてそんなこと思わないから。行ってよアメリカ。」
「ひな…」
「五条先生はこれからもっともっとすごい人になるんだよ。いつもいつも気づけば病院、明日どうなるかわからないようなわたしとは違う。五条先生の人生の邪魔したくないの。」
「ひな聞いて。」
「わたしのことは気にしなくていいってば!大丈夫だから、わたしに構わないでよ!!」
「ひな!」
ビクッ…!