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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第98章 胸のざわつき



このところ、ひなはちょっとした音にも過敏になっている。

最初は、病室のドアがノックされる度にビクッとするので、ん?と思いつつ、単に診察や処置が嫌なんで、先生達が来たことに怯えてるのかと思ってた。

が、スマホの着信音や通知音にも驚いたり、この前は俺がボールペンを落としただけでビクッと肩をすくめたり。

今まで何ともなかったはずのことに、過剰反応するようになった。



ひなの中に何かしら潜む事故のトラウマが、事情聴取によって大きく深くなるんじゃないかと、なんとなく悪い方へ向かう気がして胸がざわつく。




藤堂「PTSDの兆候があるのなら、事情聴取が発症の引き金になることは十分に考えられます。ですが、このまま先延ばし続けるわけにもいかないと思いますので、まずは、ひなちゃん本人に警察と話が出来るかどうか聞いてみて、ひなちゃんが頷けば、我々も同席の上ということで進めてもよろしいでしょうか?」



蒼「うん、異論ないよ。そしたら、その方向でいこう。警察には返事を数日待つように伝えてあるから、ひなちゃんと話をしたらまた報告して。」



『承知しました。』


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