ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第99章 逆戻り
わたしが今いるのは、外科の特別室。
なのに祥子さんが来てくれるのは、五条先生の復帰と同時に、祥子さんを担当看護師に付けてくれたから。
これが特別なことも、祥子さんは内科の仕事と掛け持ちだってことも、そんなの全部わかってる。
だから、祥子さんを困らせたくはないなと思い、自分から顔を出した。
「おはようございます…」
祥子「おはよう。お熱測らせてね。」
優しくそう言いながら、祥子さんはスッとわたしの脇に体温計を入れる。
「ひなちゃん、今朝も食欲なかった?あら、みかんは食べようとしてたのね。」
体温を測る間、祥子さんは食事量をチェック。
それ、五条先生が剥いただけなんだけどな…
と思うけど、
「綺麗に剥いた時って、なんだかそれで満足しちゃうよね。でも、せっかくだから食べよっか。」
と言われてしまい、血圧を測ってもらってから、みかんは完食。