ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第100章 宇髄先生の治療
祥子「あら、ひなちゃんどうしたの。」
涙は拭って顔を出したけど、泣いてたことはバレてしまう。
祥子「しんどい?何かあった?」
そう言って、わたしの脇にサッと体温計を挟む祥子さん。
その隙で、宇髄先生と目が合い逸らしたことを、祥子さんは見逃さない。
祥子「達弥に嫌なこと言われたのね。それとも嫌なことされた?こんな可愛い子泣かすなんて、宇髄先生ったらひどいわね〜。最低だわ。」
なっ…!?
さ、最低って……
嫌なこと言われたのも、されたのも、その通りと言えば…その通り?だけど、宇髄先生は悪いわけじゃない。
だから、わたしのために冗談で言ってるとわかっていても、宇髄先生が可哀想というか、ちょっと申し訳ない気持ちになって、
「宇髄先生は最低じゃないです…。なんでもないので、大丈夫です…。」
宇髄先生にはなるべく聞こえないよう、小声でボソッとつぶやくと、
祥子「女の子のなんでもないと大丈夫は、99パーセント嘘なのよ。仮に嘘じゃなくても、涙が出ちゃう何かがあったでしょう?我慢は良くないよ、ひなちゃん。」
って、優しく頭を撫でてくれて、目からまた涙がスーッと。