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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第101章 ぶり返す古傷

-ひなのside-




深夜3時。




「………。」




真っ暗で静まり返った病室。

音の無い空間で耳に意識を傾けると、決まってモスキート音が聞こえてくる。



キーン…



一度鳴り始めると、この音は耳から離れてくれない。

自分から音を探しに行ったけど、そのうちこの音が気持ち悪くなってきて、布の擦れる音を響かせるように寝返りを打ち、




「スー……ハー……」




深く長く、深呼吸してみる。


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