ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第101章 ぶり返す古傷
なんでよ、なんで……
関係ないことまで……
心臓の傷なんて見るんじゃなかった。
数時間前の自分に会えるなら、パジャマのボタンに掛ける手を掴んで止めたい。
全部全部、思い出しちゃう。
「…っ、ハァハァ……ゔっ…」
胸が痛い。
息が止まるくらい胸が痛む。
もうやだ…、苦しいよ…。
身体を縮め、頭を抱えるように耳を塞いだ。
すると、これが体内の音なのか、ボォーとかゴォーという音が聞こえてくる。
「ハァハァ……ハァ……ハァ…」
胸の痛みが取れてきて、気も上手く逸れてきた。
少しずつ落ち着きを取り戻したわたしは、そのまま眠りに落ちていった。