ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第16章 複雑な思い
「ハァハァ…ケホケホッ……ゲホゲホゲホッ………ハァハァ…」
「ひなちゃん、お咳止まらなくなっちゃうからゆっくり呼吸するよ~。」
神崎先生の優しい声が耳に響く。
だんだんと自分が発作を起こしかけてることにも気づきてきた。
それに身体も熱くなってきたから、きっと熱が出てるんだ。
ほんの少し外にいただけなのに…。
「ゲホッゲホッ…ヒューヒュー……ハァハァ…ケホッ……ゲホゲホゲホッ……ハァッ…ッハァ……ッハァ………」
「おい、息止めるな!ちゃんと呼吸しろ。言っただろ?」
ペチペチと五条先生にほっぺたを叩かれてハッとする。
あれ、また目つぶってた?それに息止めてたかな?
どちらかと言うと、息苦しくなってきて必死に息してるんだけどな…
「ハァハァ…ゲホゲホゲホッ……ヒューヒュー……ハァハァ…ヒュー…ハァハァ」
すると、まこちゃんが戻ってきてわたしの左手を触り始めた。
あ、さっき点滴って言ってたよね…?
もしかして今からするの?
せっかく外してもらったのに…
「ぃゃ…ゲホゲホゲホッ…ハァハァ……しなぃで……ハァハァ…」
「動くなじっとしてろ!屋上なんて行くからこんなことになるんだ!」
五条先生、また怒ってる…
というかさっきからずっと怒ってるのか…
そんなに腕押さえないでよ…