ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第16章 複雑な思い
だって、外の空気吸いたかったし…
それに、明里ちゃん見てなんか胸がキュッってした。
お父さんとお母さんに迎えに来てもらって、退院してお家に帰って行く姿見て、自分には一生手に入らないものを見た感じで…
というか、なんで今日は理由聞いてくれないの…
と思ったら、
チクッ…
ビクッ…!!
「いっ…ゲホッゲホッ…ハァハァ…ヒック…ケホケホッ……ハァハァ…」
五条「もう痛くない。」
五条先生の冷たい声。
神崎「ひなちゃん、痛いのはもう終わったよ。しんどくなっちゃうから泣かないで~。」
神崎先生の優しい声。
すると、大きな少し冷たい手がおでこに乗せられた。
この手、五条先生の手…?
もう視界が完全にぼやけてる。
五条「まこちゃん、もっかい熱測って。」
冨岡「はい。」
脇に体温計が挟まれる。
ピピッ…
宇髄「いくつ?」
これは宇髄先生の声…
宇髄先生も足元に来てわたしのこと見てるみたい。
夏樹くんは大丈夫なのかな?
冨岡「38度6分です。」
五条「部屋戻った時は37度8分だった。」
工藤「マジか、まだ上がるな…。」
え、わたしそんなに熱あるの?
だから五条先生の手が冷たく感じるの?
冷たくてちょっと気持ちいいけど…
朝は元気だったのになんで…
五条「意識保っててえらかった。」
あれ、五条先生の優しい低い声。
さっきまで怒ってたのに褒めてくれてる…?
と、なぜか目からスーッと涙が流れた。
でも、五条先生が耳に入る前に指で拭いてくれたみたい。
五条「もう寝ていいぞ。」
五条先生の言葉を聞いてわたしはすぐに眠りについた。