ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第102章 突沸
そう言われた後のことは覚えてない。
頭の中が真っ白に、目の前は真っ暗に。
とんでもないことを言ってしまったと、そう思ったのが記憶の最後。
「ハァ、ハァ……ハァ、ハァ……」
蒼「ひなちゃん、少し苦しいからマスクつけるね。」
あれから3日。
黒柱の先生たちは、誰ひとりわたしのところへ来なくなった。
代わりに、蒼先生、豪先生、りさ先生、それから祥子さんが来てくれて、時々蓮先生も来てくれる。
豪「ひなちゃんゆっくり呼吸してな。胸ごめんね。」
「ハァ、ハァ………」
…ポタッ……ポタッ……
豪先生が聴診する間、粒となって落ちる涙を蒼先生が拭いてくれる。
上がった熱が下がらない。
目が覚めると、自分でもやばいと感じるほどの熱になっていて、いろんな薬を毎日投与してもらっているけど、一向に落ち着く気配はなく。
呼吸が苦しくなったり、喘息の発作が出たり。
豪先生がまめに心音を聴いて、心電図もチェックするから、正直、不安で怖くて仕方ない。