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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第102章 突沸



どうして、こんなことになっちゃったかな……。

どうして、あんなこと言っちゃったかな……。



これまでの人生、わたしにとって手は凶器だった。

でも、ここにいる人たちの手は違う。



ノワールへ来て間もない頃、眠れないわたしを五条先生が初めて抱きしめてくれたあの夜。

五条先生の手が大きくて優しくて…、神様の手かと思った。

まこちゃんの手も、藤堂先生の手も、神崎先生の手も。宇髄先生の手も、工藤先生の手も、祥子さんの手も。りさ先生、蓮先生、蒼先生、豪先生、夏樹に傑、そして、お父さんにお母さん………。

みんなの手はいつだってわたしの傷を癒やし、わたしのことを守ってくれた。



あの人と同じだなんて、先生たちに言ったのは本心じゃない。

ああいう時に本音が出ると言われれば、言い訳する術は思いつかないけれど、少なくとも今はそんなこと1ミリも思ってない。


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