ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第103章 愛のちから
「ゴホゴホゴホッ!!…っ、ぅっ」
五条先生…
せめて、熱だけでも早く下がってほしい。
しんどい、苦しい、五条先生に会いたい、謝りたい。
「ハァッ、…っ……ゴメ、ゲホゲホッ…サ…、ハッハッ…ごめ、なさ…っ、ゲホゲホゲホッ!ごめ…、ゴジョゥ…ゴホゴホッ!!」
朦朧とする意識の中、ごめんなさいを繰り返す。
すると…
「ひな。ごめんなさいなんて思わなくていいから。」
五条先生の声が。
幻聴でも聞こえてるのかな…。
五条先生を思うあまりか、それとも、もう死期が迫っているのかも。
そう思い目を開けると、
「ごめんなさいはもう終わりだぞ。それより、早く治すこと考えよう。」
五条、先生…
優しくて大きな手。
大好きな五条先生の手が、わたしの頭を撫でる。