ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第103章 愛のちから
そして、次の日。
わたしにとってはさっそく、先生たちにとってはようやく、わたしは心臓の手術を受けることに。
「五条先生…」
あぁ、やっぱりずっと熱ある方がよかった…。
またそんなことを思ってしまうほど、怖くて怖くて仕方がない。
「大丈夫だぞ。ひなは眠ってるだけで良いからな。次に目が覚めたら、もう全部終わってるから。大丈夫、何も怖くない。」
オペ室の中までついて来てくれた五条先生が、そう言ってギュッと手を握り、頭を撫でてくれる。
すると、
「栗花落さん、そしたらマスク当てますね。煙が出るのでゆっくり口で呼吸しますよ。」
麻酔科の先生にマスクを当てられ、五条先生の顔を見ながら、口から大きく深呼吸。
麻酔はすぐに効き始め、眠たい…とまぶたを閉じる直前、
「おやすみ、ひな。」
五条先生の優しい声を聞いて、わたしの意識はプツンと切れた。