ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第104章 2度目の誕生日プレゼント
「ん。綺麗だ。よく似合ってる。」
「五条先生…」
ポタッ…ポタッ……
涙が出るのはいつぶりだろう。
ここのところは泣くようなことなんてなかったから、久しぶりに頬を涙が伝い落ちた。
「なんで泣くんだ…」
五条先生が少し驚いて、わたしの頬を親指で拭う。
「わたし、五条先生にもらった大事なブレスレット、一生の宝物なのに失くしちゃって…。事故の後、ブレスレットが無いってことは気がついたんです。でも、五条先生にずっと言えなくて。謝らなきゃいけなかったのに、失くしたなんて聞いたら五条先生どう思うだろうって、黙ってたんです…グスン」
「ひな…。それくらい大切にしてくれてたんだな。毎日付けてくれてたもんな。それだけで俺は嬉しいから、こういうことがあっても思い詰めなくていいんだぞ。それに、今回はちゃんと見つかって、今こうしてひなの手元に戻ってきたんだから。泣かなくて大丈夫だ。」
そう言って、五条先生はわたしをぎゅっと包み込んでくれる。