ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第16章 複雑な思い
「お待たせしました!」
とまこちゃんが戻ってきた。
「ひなちゃ〜ん、冷たいの置くね!頭ちょっと上げるよ~。」
とまこちゃんに氷枕を敷いてもらうと、ひなの表情が心なしか緩んだ。
「気持ちいいか?」
コクッ…
でも、ここで解熱剤も入れないと。
「ひなちゃん、これからお熱下げるお薬も入れるな。ちょっと身体横に倒すぞ~。」
と言って、ひなの身体をまこちゃんの方へ倒すと、ひなは何かを察したのか抵抗し始めた。
「ハァハァ…ゃ……ハァハァ…ぃゃ……ハァハァ……」
「ひなちゃん、大丈夫だよ。少しだけまこちゃんの方向いて海老さんみたいになってよう。」
と、宇髄先生もひなの身体を押さえてくれる。
その間に、まこちゃんから座薬を受け取り、ひなのズボンとパンツをサッとズラした。
ビクッ!!
「ゃ…ハァハァ…ゲホッゲホッ…めて……ハァハァ…ケホッ…」
「ひなちゃ〜ん、大丈夫よ。お手手握ってようね。」
とまこちゃんがひなの両手を包んでくれ、
「ひなちゃーん、ゆっくり深呼吸してごらん。お口からハーって息吐けるかなー?」
と宇髄先生が言う。
そして、ほんの少しひなの気が緩んだ隙に…
「い"ぅ!…ケホケホッ…ぃ…ぅぅ…ハァハァ……」
「ひなちゃん、ごめんな。ちょっと気持ち悪いな。ハーって上手に力抜いてみような。」
と、座薬を入れてしばらく指で押さえてると、ひなの目から涙が流れるのが見えた。
そして、ゆっくり膝を伸ばして仰向けに戻し、
「いい子だったぞ。えらかった。もう大丈夫だからゆっくり寝たら治るからな。」
って頭を撫でてやると、すぐにスヤスヤと眠りについた。