ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第106章 すれ違い
「ひなちゃんはもう少し自信を持ってごらん。悠仁はよっぽどのことがないと、…よっぽどのことがあってもか。ひなちゃんが彼女として相応しくないなんて思わないから。」
「それは、わたしとそういうことが最後まで出来なくてもですか…?」
「もちろん。今のひなちゃんにとっては大きな悩みかもしれないけど、悠仁や俺たちにとったらそんなことだから。むしろ、悠仁がそれを理由に距離を置いているなら、たとえ悠仁だろうと俺は許さないし、ひなちゃんもそんな男は捨てた方がいい。でも、悠仁はそんなやつじゃないから安心したらいいよ。」
「はい。…でも、それならどうして五条先生はわたしと距離を…。わたしはどうしたらいいですか…?」
「それは、ひなちゃんが言った通りだと思うよ。きっと、理性を失ってひなちゃんに無理やり迫ったことを、悠仁は気にしてるんだと思う。ひなちゃんが悠仁に対して恐怖心を抱いたと思い込んで、悠仁もひなちゃんに遠慮しちゃってるんじゃないかな。」
「わたし、五条先生が怖いんじゃないです。五条先生とは今まで通りがいいし、むしろ、もっともっと関係を深めていきたくて…。」
「うん、そうだよね。だから、ひなちゃんはそれを悠仁にちゃんと伝えてごらん?何が大丈夫で何が怖いのか。こうしたい、ああしたい、だけどこれは不安なんだって、悠仁に伝えたらいいんだよ。SEXって、そうやってコミュニケーション取ってするものだから。少し緊張するかもしれないけど、今日は悠仁帰るでしょ?」
「はい。昨日当直だったので、夕方には終わるはずです。」
「うん。そしたら、今日帰ったらさっそく悠仁と話してごらん。この状況がモヤモヤ長引くのもしんどいでしょ?」
「コクッ…。頑張って、五条先生と話してみます。」
「うん。上手くいかなかったら、僕がまた話聞いてあげるから、ね。」
ぽんぽん…
「はい…。」