ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第17章 見失う自分と生い立ち
それから数日間、わたしはずっと自分のことを考えてた。
一体いつからあの人と暮らしてたんだろう。
両親はいつ死んじゃったんだろ。
どんな人だったのかな。
はぁ…。
自分のこと何もわからない。
昔の記憶を辿ってみたところで、あの人といたことしかわからない。
結局、あの人の奴隷でしかなかったのかな…。
でもそうだよね。
身体についた傷がそれを物語ってるもんね。
もう、一生こうなのかな。
傷も消えない、親もいない、病気だって治らない。
わたしの人生、あの人だけに埋め尽くされてる…