ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第17章 見失う自分と生い立ち
「ひなちゃん、食欲ない…?」
今朝はあまりごはんが食べられなかった。
考えごとしてるせいか、食欲も少しずつ無くなってきてる。
「ごめんなさい…。」
「とりあえずお熱測ろうか。」
と言って、今日はまこちゃんが脇に挟んでくれた。
ピピッ…
「36度か。お熱はないね。どこか痛いとかしんどいとかある?」
静かに首を振った。
そして、五条先生が部屋に来る。
「…食欲ないか?」
「はい…、ごめんなさい…」
「謝らなくていいから。聴診するぞ。」
と言われて、自分で病衣をめくるとあざや傷痕が目に入ってきた。
あぁ…、嫌だな…。
全部消えて無くなって欲しい。
と思ったら、チェストピースが身体に触れて、
パシッ…
咄嗟に五条先生の手を叩いてしまった。
「ご、ごめんなさい……」
なんで叩いてしまったのか自分でもわからない。
でもこれ以上触れられたくなかった。
そして、五条先生も怒りはしなかった。
「…どうした?何悩んでる?ずっと考え事してるだろ。話すと楽になるぞ。」
五条先生は、やっぱり気づいてたんだ…