ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第17章 見失う自分と生い立ち
「今痛いところとかないか?」
「…はい。」
「…ちょっと横になって。」
と言われてベッドに仰向けになると、五条先生はわたしの膝を立ててお腹を押した。
「ここ痛いか?」
フリフリ…
「ここは?」
フリフリ…
「ここは?」
……フリフリ
「本当に?」
コクコクコク…
最後にみぞおちの辺りを押されて少し痛かった。
でも、そんなとこ押したら誰だって痛いよね。
「今日はゆっくり寝てなさい。何かあったらすぐにナースコールして。それから、話がしたくなったらいつでも聞くから。わかったか?」
「…はい。」
五条先生が出て行くと、夏樹くんがカーテンの向こうから声をかけてくる。
「ひなの?大丈夫か…?」
「大丈夫。心配しないで。」
と言って、少し眠りについた。