ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第108章 乙女の秘密
「気分、大丈夫?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございました。」
初めてのあの日は、結局最後までできなかった。
それから次の日もその次の日も最後まではできなくて、昨日は五条先生が当直だったから、そもそもエッチができていない。
ゆっくりと身体を起こし、捲し上げていた左腕の袖を戻していると、
「悩み事?」
「え?」
「五条先生と何かあった?」
「えっ?」
「図星ね。どうしたの?」
と祥子さん。
「いえ、別に何も…。」
「そう?だけどその浮かない顔は、藤堂先生にもばれちゃうと思うな〜。見逃してもくれないだろうし。先生から根掘り葉掘り聞かれる前に、よければ話してみない?」
…っ。
そう言われると、当然話す他なくて…。
五条先生と最後まで至っていないことを包み隠さず打ち明けた。