ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第110章 性交の証
っ!?!?!?
ドクンと心臓が大きく跳ねる。
聴診の最中なのに、藤堂先生にバレていないわけがない。
口より先に心臓が藤堂先生に答えてしまった。
「ふふっ。正直でよろしい。笑」
視線を外していた藤堂先生がわたしの目を見て言う。
わたしの顔は今、真っ赤なんてものではないだろう。
「はい、いいよ。お洋服直してね。」
「あの、どうして…っ。」
動揺して、胸元のボタンが上手く留められない。
キスマークが目に入ったんだろうか。
でも、それなら前からあることで、今さら藤堂先生がつっこんではこないはず。
となると、五条先生が今朝話したのか…いや、五条先生が自分からそんなことを話すとは思えない。
どうして、藤堂先生は…
「ひなちゃんの雰囲気が変わったんだよ。」
ドキッ…!
言って、藤堂先生は覚束ない私の手を取ると、代わりにブラウスのボタンを留めてくれた。