ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第110章 性交の証
「不思議だけどね、女の子は女性になると雰囲気が変わるんだよ。胸がふくらみ始めた時、初潮が来た時。大人の階段を上るたびに、ベールがひとつひとつ外れていくの。ほら、結婚式でウェディングドレスを着た花嫁さんみたいにね。ベールを外すとパァッとオーラが放たれる。何枚にも重なったベールがさ、恋をした時、初めてパートナーができた時、キスの味を覚えた時。ひとつひとつ捲られていって……初めてsexした時が1番変わるかな。一気に大人の顔になる。」
それは、誰にでもわかることなのか、近くにいるとわかるのか、お医者さんだからわかるのか、主治医だからわかるのか、藤堂先生だからわかるのか。
わたしにはわからないけど、とにかく藤堂先生にはなんでもわかってしまうみたい。
「恥ずかしいです…。」
肩をすくめて言うと、
「恥ずかしいことじゃないよ。おめでとう。大人になったんだね。」
そう言って、
「悠仁は優しくしてくれた?」
「はい…//」
「幸せだった?」
「はい…//」
「それならよかった。」
藤堂先生は優しく微笑んだ。
かと思いきや…。