ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第17章 見失う自分と生い立ち
少しして吐き気が落ち着くと、わたしは腕に点滴を打たれ、五条先生に抱き抱えられて個室に移された。
「朝も胃が痛かっただろ?」
コクッ…
今度は素直に頷いた。
「なんで正直に言わなかった…。ストレスが原因で胃炎になってるんだ。何を1人で抱え込んでるんだ?」
目から溢れる涙が止まらない。
五条先生の問いに答えられない。
「落ち着いたらでいいから、話せるようになったら話してほしい。俺が嫌なら、まこちゃんでも、神崎先生でも、宇髄先生でも工藤先生でも、藤堂先生でも。誰でもいいから。」
コクッ…
頷くだけで精一杯。
なんとなく1人にして欲しくてそっと目を閉じた。
五条先生にも伝わったのか、頭をぽんぽんとだけして部屋を出て行った。