ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第111章 ポリクリ
「お昼…食べましたよ。」
「嘘つけ。」
そう言って、買ってきたごはんを袋から出していく五条先生。
「藤堂先生言ってたぞ?お昼食べたって、ひなにまた嘘つかれたって。さっき藤堂先生が来てくれた時、白衣着たままだったんだろ。ソファーから動いた様子もなくって、そりゃバレるわ。寝てたのか?」
なっ…!?
藤堂先生にバレてないと思ってたのに、バレてたなんて…。
「寝てないです…、それは本当に。」
「"それは"って。じゃあ、飯食ってないのは事実か。」
「そ、それも本当です…。」
「なら何食ったんだ?夏樹たちと食堂行くんじゃなかったのか?食べた後のゴミはどうした?」
「っ、それは…。」
言葉を返せなくなったわたしは、五条先生から顔を逸らす。
すると、
「お昼、何も食べてないんだろ?ほら、買ってきたから一緒に食おう。俺もまだ食べてないから。ん。」
と、フォークを袋から取り出して、わたしの前に差し出してきた。