ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第111章 ポリクリ
「ひな?1回お水飲もう。ひと口でいいから、お水口の中に入れてごらん。」
冷えた水をひと口飲ませ、ひなのタイミングで飲み込ませてから、
「ん、ちょっとこれも食べて。ゆっくり溶かして、口の中冷やすつもりで食べてごらん。」
と、ひなが口寂しくなった時のために持って来た、凍らせたひとくちゼリーも1つ食べさせる。
すると、
「ヒック……っ、ヒック……、グスッ……グスン」
ようやくひなの呼吸が落ち着いてきた。
そして、10分ほど経つと、
「ちょっと楽になったか?」
「グスン……ヒック……、グスン……コクッ…」
まだヒクヒク言ってはいるものの、コミュニケーションが取れるくらいにひな自身も落ち着いてきた様子。
俺は一旦ひなから体を離し、
「ひな、こっち見れる?」
涙でぐしょぐしょの頬を拭って、ひなと目を合わせた。