ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第111章 ポリクリ
「落ち着いたか?」
湿った頬を両手で包み、右、左、右…とひなの瞳を順に見る。
「コクッ…。」
目を逸らさずに頷いてくれたひなに、
「今回の事、もう十分理解できてると思うから、俺からは何も言わないな。ただ、これだけはもう1回。ひなはよく頑張ってるから。毎日見てた俺が言うんだし、こんなに涙が出て悔しいのも、頑張ってきた何よりの証拠だろ?だから自分のこと、もう何も責めちゃいけない。」
そう言うと、
「五条先生…。」
乾きかけていたひなの目はまた潤み出すので、
ぎゅっ…
「ごめんごめん。何も言わないってたのに喋りすぎたな。泣き足りないなら泣いていいから。でも、パニックはダメな。」
ひなをもう一度抱き締める。