ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第112章 麻疹
「どうしたひな…。」
スプーンを置いて、わたしの手を握る五条先生。
「食欲ないか?」
「グスン…ぅぅ」
「ん?しんどい?」
「おかゆたべたい…けど……グスン」
「けど?」
「のど…いたくて……食べられなぃ…っ、ゴホッ…ゴホゴホッ!!」
麻しんが治ったらすぐポリクリに戻る。
その時のために、わたしだってちゃんと食べたい。
でも、あまりに喉が痛くて正直に言うと、
「よしよし、わかった。しんどいな。泣かなく……ん?ひな、もしかしてまた熱上がっ………うわっ。」
わたしを抱きしめかけた五条先生はおでこに手を当てると、ポケットからスマホを取り出して、すぐに藤堂先生を呼んだ。