ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第112章 麻疹
それから30分ほどして、ひなの吐き気が治まると、藤堂先生はひなを診察。
途中から喘息の発作も起こしながら吐いてたひなは、体力を消耗し切ってぐったり。
「…うん、大丈夫。落ち着いてくれた。また様子見よう。」
「直明け早々、ありがとうございました。」
「ううん。悠仁がいた時でよかったよ。ひなちゃん1人じゃ、ナースコール出来てなかったと思う。」
言いながら、藤堂先生はステートを首に掛け、ひなのパジャマを整えてくれる。
「久しぶりですよね、ひながここまで体調崩すの。ひな、あまり眠れてないみたいなんです。」
「熱がずっと高いし、吐き気や発疹もあってかなり辛いんだろうね。今がピークだとは思うけど…、後はこのまま合併症さえ起こさなければ。」
「そうですね…。」
そう言って、俺は疲れ切った顔で眠るひなの頭にそっと手を伸ばす。
すると、
「ん…。」
てっきり眠ってると思ったのに、ひなはうっすらと目を開き、
「ん?ひな起きてたのか?」
言うと、俺たちの会話を聞いていたのか、目を潤ませながら不安そうな顔を。
そんなひなに、
「大丈夫だぞ、ひな。心配しなくて大丈夫。」
「ひなちゃん。今すごくしんどいけど、ひなちゃんの身体が一生懸命戦ってくれてるからね。」
「たくさん寝たら早く良くなる。おめめ瞑ってるだけでもいいから。な?俺も藤堂先生もここにいるから、不安がらずに目閉じてごらん。」
藤堂先生と声をかけながら、肩の辺りをリズム良く叩いたり、寝たきりの脚をマッサージするように撫でてやったり。
今度こそひながぐっすりと眠りにつくのを見守った。