ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第115章 お見送り
「ほら、悠仁。そろそろ本当に並ばないと。」
藤堂先生が言うと、
「…さみしくないか?」
急に真剣な顔になって、五条先生はわたしの頬に手を添える。
…っ。
そんなの、さみしいに決まってる。
でも、安心して行ってほしいから、
「大丈夫です。」
さみしいとは言えなかった。
それなのに、
「俺はさみしい。」
「え?」
「ひなと離れるのは、思ってた以上にさみしい。けど、頑張ってくるな。向こうで待ってる。」
そう言って、五条先生はわたしを
ぎゅっ…
と抱きしめて、おでこに
ちゅっ…
とキスをして、
「んじゃ。」
アメリカへと旅立った。