ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第115章 お見送り
「ひなちゃん、平気?」
「え?」
五条先生を見送った帰りの藤堂先生の車の中。
「さみしいって、悠仁に言ってよかったのに。ひなちゃんもさみしいでしょ、本当は。泣いてもいいよ~?」
と、藤堂先生が言う。
「さみしいけど、ちょっとだけです。泣かないです。」
そう言いながら、頬の上を水が滑り落ちるので、顔を窓の外に向けた。
すると、
「悠仁も言ってたけどね、身体のことでも生活のことでも、何かあれば言っておいで。まぁ、悠仁がいるいない関係ないんだけどさ。いつでも力になるから。」
藤堂先生の優しい声がわたしを包み込んでくれた。