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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第117章 変調



「…っ、そんなことありません…。それに嘘じゃn」



「嘘じゃないなら、今の症状を説明して。初日に言ったこと覚えてるはずだよね。ひなちゃんの身体のことは、端に置いて指導する。でも、具合が少しでも悪ければ、必ず自己申告するようにって。それはどうしてだった?」



「それは…小児患者はちょっとしたことが命取りになり得るからです…。風邪を引いていたとして、患者に移るといけないからです…。」



「そう。それからもうひとつ伝えたよね。小児では、いろんなウイルスや菌を持った患者と接することが群を抜いて多い。だから、俺たち医者も注意深くいなきゃいけない。体調が悪い中で患者に接すると、医者も…ひなちゃんも命取りになるよって。」



「はい…。」



「体調が悪いから必ず休めとは言わないし、実習は最大限させてあげる。ただ、ひなちゃんの身体も最小限は配慮する。最大限ひなちゃんの気持ちを優先して、最小限ひなちゃんの身体を考慮するようにするから、体調のことは必ず報告するようにというのは、約束だったよね。ひなちゃん、もう一度聞くよ?今日具合悪い?」




今朝、身体に感じた少しのだるさ。

正直、ノワールに来たら忘れてたくらいなんだけど、神崎先生はいつもと違うと見抜いたんだ。

処置室に行くって、準備をするんだとばかり思っていたら、



…はぁ。



わたしの体調を確認するためだったらしい…。


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