ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
「今朝、少し身体のだるさがありました…。でも、熱は測っ…てはいないですけど、熱はないですし、咳もなく喘息の感じもありません。疲れだと判断しました。今日のスケジュールは予定通りこなしたいです。」
無駄な言い訳をしたところでなので、素直に事実を打ち明ける。
すると、
「症状と、それからひなちゃんの気持ちも。両方ちゃんと言ったことは100点。でも、それを最初から言ってこなかったのでマイナス10点。それと、熱を測らなかったのはマイナス30点。それなのに"ない"と言い切るのもマイナス10点。だから50点かな。少なくとも熱は測らないとダメでしょ。ほら、とりあえず熱測るよ。」
そう言って、ベッドに座らされて体温計を渡され、
ピピッ…
「何度?」
「36.2°です。」
「熱はないね。そのままでいいから聴診するよ。ちょっと手貸して。」
体温を測ったら、服の上から聴診されつつ脈を測られ、
「今日はオペもないし、ひとまず予定通り実習する。けど、途中で酷くなった時は必ず言うこと。それから、藤堂先生に具合が悪いことを伝えておくこと。わかった?」
「はい…。」
「うん。…よし、そしたら回診行こう!」
ということで、無事に(?)実習は再開された。