ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
「それはそうと、ひなちゃん病院行こう。ね?」
藤堂先生が手首を掴んで脈を取りながら、おでこにも手を乗せる。
「熱はないんです。身体がすごくだるいだけで、熱はなくて咳もなくて…。ただ、どうしても身体が動かなくて、1日だけ休んでみようと思って…。ごめんなさい…」
実習を休んでしまったこと。
改めてその事実を言葉にしたからか、ポロポロと涙が落ちてくる。
「うん、大丈夫大丈夫。ひなちゃん?しんどいときは休んでいいんだよ。ちゃんと欠席連絡もしてくれたし、休む判断ができてえらかったんだよ。大丈夫大丈夫。」
そう言って、藤堂先生は頭を撫でながら、涙が溢れる頬を拭ってくれた。
そして、少し落ち着いてから、
「熱はなくても、病院に行ってちゃんと診てみるよ。床で寝てしまうくらいしんどいのは見過ごせないし、水分も取れてないなら、点滴一本はどの道しておかないと。検査して何もなければ、また帰って来ればいいんだから。ね?」
と、結局病院へ連れ出されてしまった…。