ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
「ひなちゃん、チクッとするよ〜。」
外来の処置室のベッドの上。
藤堂先生は今日、朝から外来に入っていたらしく、それが終わってお昼休みの間に、わざわざわたしの家に来てくれたよう。
今はもう14時過ぎ。
午後の外来は予約患者だけなので、人はまばらにしかおらず、空いている処置室で採血される。
「もう終わるからね……よし、針抜くよ。今平気?気分悪くない?」
「大丈夫です。」
「うん。次、反対の腕から点滴入れるね。ごめんね、もう1回チクッとするよ。」
処置室には藤堂先生と2人きり。
採血も点滴も、藤堂先生が自らしてくれる。
「ひなちゃん、点滴終わるまで眠ってていいからね。点滴の間に血液検査しておくから、点滴終わったら一緒に確認しよう。」
さっきまで床で寝ていたせいか、病院のベッドが心地良く感じて。
藤堂先生が血液を検査に出しに部屋を出ると、わたしはすぐ眠りについた。