ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第18章 悪夢のような恐怖
~ナースステーション~
「お待たせして申し訳ございません。医局長の小野寺と申します。弁護士の方とお伺いしたのですが。」
•••「えぇ、そうです。栗花落ひなのさんに、お話を伺いたいと思いまして。」
「そのことですが、日を改めていただけませんでしょうか?彼女、今日は具合が悪いので。」
•••「ですが、警察や裁判所からも今日行くように言われておりまして…。」
と男が言うと、今まで笑顔で対応していた医局長の表情が一気に変わる。
「あの…、貴方は本当に弁護士ですか?バッチもつけてないですし、そもそも、彼女に弁護士なんてつけておりません。被疑者側の弁護士ですか?」
語気を強めると男の表情も変わる。
•••「栗花落ひなの、ここにいますよね?出してください。うちに連れて帰ります。」
やっぱり医局長の予想通りだった。
この男は、ひなちゃんを苦しめ続けた張本人。
絶対、本人に会わせるわけには行かない。
「お引き取りください。」
•••「んぁ?」
「聞こえません?お引き取りください。」
と言って、ふと目線を男の背後へ逸らすと、病室へ続く廊下の入口にひなちゃんが立っていた。
医局長も思わず目を見開いてしまって、ひなちゃんもその場で凍りついている。