ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
病室に入って少しすると、
「ひなちゃん、お腹が空いてなくても、食べられるなら少しでも食べて。ごはんが食べづらかったら、甘いものでも構わないから。」
って、わたしが好きなおにぎりに、ゼリーやプリン、アイスクリーム、お水とお茶も何本か買ってきてくれて、
「19時頃になると思うけど、宇髄先生に診察してもらうからね。それまでに少し食べて、休んでて。」
ぽんぽん…
と、部屋を出て行った。
検査の結果を話す時、藤堂先生の物言いがいつもと違ってはっきりだった。
患者として、半分は実習生として、話をしたんだと思う。
だから、わたしもどこかちゃんとしてなきゃと、それほど感情的にならなかった。
でも、今の藤堂先生は100パーセント、いつもの優しい主治医の先生。
おにぎり…
せっかく買ってきてくれたのに、食べずにダメにするわけにはいかない。
パクッ…
ひとりになった病室で、そっとおにぎりにかぶりついた。