ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
そして、19時半ごろ。
コンコンコン——
宇髄先生の診察時間になったようで、藤堂先生が部屋に来た。
「おにぎり食べたの、えらかったね。」
ベッド横の丸椅子に腰掛けた藤堂先生は、ゴミ箱をチラッと見て嬉しそうな優しい笑顔。
「身体の具合は今どう?怠さは強い?」
言いながら、"ちょっとごめんね"とわたしの手首をスッと取り、反対の手はわたしの下瞼をめくる。
「今朝よりは…じっとしていれば平気です。」
「お昼に点滴したのでまだ落ち着いてそうだね。寝る前にまた点滴入れようね。」
「はい…。」
返事をすると、軽く聴診もされて、
「この後のお腹の診察だけど、今日はこのお部屋でするからね。」
「え?ここで…?」
「うん。身体の調子もあるから、ひなちゃんがしんどくならないように、このままここで診てもらうよ。宇髄先生、もう来てくれるからちょっと待っ…」
コンコンコン——
って、藤堂先生が言い終わる前に宇髄先生が来た。