ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
「ひなちゃん、ちょっと久しぶりだな。」
「お久しぶりです。」
エコーの機械をゴロゴロとベッドサイドにつけた宇髄先生は、わたしの頭にぽんぽんと手を乗せる。
「遅くなってごめんね。待ち疲れたな。ご飯食べた?」
「食べました。」
「ん。身体は?少し落ち着いた?」
「はい。」
「ん。」
わたしが緊張しないようにしてくれてるのか、優しく声をかけてくれて、今度は背中をぽんぽんと。
「そしたら、少しお腹診させてな。今日は経腹エコーと内診だけするからね。構えなくて大丈夫だぞ。」
言いながら、手際良く機械を準備する宇髄先生。
藤堂先生にベッドの背もたれを倒されて、わたしは仰向けになる。
「ひなちゃん、藤堂先生からも聞いてはいるけど、生理は最後いつ来た?」
「あの、藤堂先生に話した後で思い出したんですけど…五条先生がアメリカへ行く少し前に一度ありました。なので、3か月前くらいです。」
「ん、ありがとう。3か月か。その前は毎月あった?」
「毎月きっちりはないですが、いつも2か月以内には来ている感じでした。」
「となると、ひどく遅れているわけではないのか。よし、そしたらお腹ごめんな。」
話す間に準備が整ったようで、藤堂先生にパジャマをめくられ、ジェルがお腹の上に落とされる。
「冷たくない?」
「大丈夫です。」
「ん、そしたら見ていくよ。リラックスしてていいからね。」
と、宇髄先生はプローブをお腹の上でゆっくりと滑らせ始めた。