ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第119章 生理
「宇髄…先生……」
「ん?ひなちゃんどした?」
外が明るくなって間もなく、ひなちゃんがか細い声で俺を呼ぶ。
腰を撫でながら、顔を覗くように声をかけると、
「痛み止め…入れてください……。注射でも座薬でも…何でもいいから、お願いします…。」
と。
ひなちゃん…。
「今な、ひなちゃんの身体に入れてあげられる限界まで、痛み止め使ってあるんだ。だから、ごめんな。もう1時間したらまた足してあげられるから…」
「それでもいいから…、身体なんてどうでもいいから……もうこれ以上耐えら……ぅ、いっ……、っ"」
「うん、痛いな…。辛いな…。」
いつものように、頑張ろうとはとても言えない。
大嫌いな注射も座薬もせがんで来るほど、もう十分耐えるひなちゃんの姿を見て、頑張れとは言えないし、大丈夫だなんて無責任な言葉も今はかけられない。
これほど痛みがあるのも、もう生理痛だけではなくなっているからだろう。
わかってはいるが…、すぐにどうにもしてあげられない。