
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第123章 研修医
「わかりますかー?お名前言えますか?」
「…グエン・チー……」
うん…?
「もう一度お願いします。」
「グエン…」
「…グエンさんですね?日本語はわかりますか?」
「ワカル…」
「痛いところは脚ですか?」
「ソウデス…。」
「他に痛いところはありますか?」
「ナイ…。」
「わかりました。スタッフが順番に来るので、こちらでもう少しお待ちください。」
アパートの住人なのか、負傷者には外国人が目立つ。
近隣を巻き込んでいるとはいえ、負傷者の数も妙に多い。
「こんにちは、医師の栗花落です。お名前言えますか?」
「やまだ……」
「ヤマダさんですね。胸の痛みや吐き気などはありますか?」
「いや…」
「ちょっと失礼しますね。」
わたしは基本のトリアージを確実に行なっていき、ここでは黄色と判断をして、タッグを付けて次に向かった。
