ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第133章 小さなヒーロー
「おいっ!!」
そして、その瞬間を向かいのベッドで回診していた悠仁さんが目撃したようで、飛んでわたしのところに。
「大丈夫か!?」
ものすごい勢いで言う悠仁さん。
「は、はい…。」
返事をすると、
「コラァっっっ!!!何してんだ!!!」
悠仁さんはたかしくんに怒号を飛ばす。
「ちょっ、そんなに怒らなくても…」
と言うが、
「腹の子に何かあったらどうするんだっ!」
と、顔を真っ赤にして。
「ひな先生のお腹は赤ちゃんいるんだぞ!!赤ちゃんがいなくても人を蹴ったらダメだろ、謝りなさい!!」
「うわ~ん、ごめんなさぁい!!」
悠仁さんに叱られたたかしくんは、大泣き。
「ひな医局戻れ。」
「え?」
「たかしくんは俺が診とくから。」
「え?いや、まだ他の子も回らないと」
「全部俺が代わりに診るから。ひなは休め。」
ということで、悠仁さんの言うとおりにわたしは医局に戻った。
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