ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第133章 小さなヒーロー
しばらくして、
「ひな!」
医局で書類や備品の整理をしていたわたしは、回診から戻った五条先生に声をかけられる。
「なにしてんだ、座ってなきゃダメだろ。」
「え?」
「今日はもうデスクワークだけしてろ。」
ちょっと怒ったように言うので、他の先生もわたしたちの方を見る。
神崎「どうしたの?」
神崎先生がすぐに声をかけてきて、
りさ「何かあった?」
りさ先生も。
「さっき、子どもに腹蹴られたんです。」
悠仁さんが言うと、りさ先生も神崎先生も"えっ?"と顔を曇らせる。
りさ「それなら五条先生の言う通りよ。具合は大丈夫なの?今日は休んだ方がいいんじゃない?」
「いえ、本当になんともなくて。蹴られたと言っても子どもの足が軽く当たっただけですし。」
りさ「大丈夫と思ってても、お腹の子はびっくりしたかもしれないでしょ?せめて今日は1日座って仕事しなさい。神崎先生、五条先生、今日のひな先生の仕事代わってあげてくれる?」
五条「はい。」
神崎「もちろん。」
「すみません…。」
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