ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第134章 マタニティーライフ
ある日の健診では——
「うーん…。」
NSTを付けている最中、モニターを見ながら助産師さんが首を傾げる。
「あの、赤ちゃんに何か…?」
「いや、違うのよ。なんか、赤ちゃんずっと寝てるみたいでね。」
「え、寝てる?でも、時々動いていますけど…?」
「あ、たぶん、それは寝相が悪いだけ(笑)」
「え…?」
寝相が悪いって…なんか恥ずかしいっ。
「ごめんね、もう少し様子見させてくれる?大丈夫?疲れてない?お母さんは寝ててもいいからね。」
「はい。」
"あなたは起きててね~"
と、助産師さんがお腹に声をかけて部屋を出て行った。
けれど、それからも赤ちゃんは全然動いてくれないみたいで、そのうち産婦人科の先生と一緒に、
「ひな。」
悠仁さんが来てくれて、
「悠仁さん。仕事は休憩ですか?」
「ああ。今日は付き添えないと思ってたが、幸か不幸か時間がかかってるって言うんで。」
「赤ちゃんずっと寝ちゃっているみたいで。たまに蹴ってはいるんですけど、大丈夫かな…。」
なかなか起きない赤ちゃんに、先生もちょっと困り顔でいると、
「おい、こらちび起きろっ。ママが疲れるだろ。」
って、悠仁さんがお腹に手を当てると、
「あっ、起きたみたい!動き出した動き出した。」
って、先生が。
「ったく、いつもはポコポコ蹴るくせにだな。」
「ふふっ、さすが五条先生ですね(笑)」
「なんか、すみません…。」
「なんでひなが謝るんだよ。疲れてないか?大丈夫か?もう少しかかるんだから、ひなは寝ときなな。帰りは送るから。」
なんてことも。
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