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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第19章 夢と過去の記憶



「もう、嫌なの…ハァハァッ…あの人につけられた傷だけ負って…ッハァ…あの人の痕跡が残るこの身体で…ハァハァ……もう、生きたくない!!」



「ひなっ!!」




今度は思いっきり力を出して五条先生の腕を振り払った。

そして、ベッドから降りようとして先生たちに止められた。




「やめて!!ハァハァ…離して、もう助けないで…ハァハァ…」



「ひな、落ち着け。」



「なんで助けるの、なんで、なんで生きなきゃいけないの…。ダディーとマミーのとこに行きたいの!!会いたいの!!行かせてよ!!殺してよ!!」



「ひなのっっっ!!!!!」




ビクッ!!!



部屋中に五条先生の怒鳴り声が響き渡った。

今まで聞いてきた中で1番、いや、今まで聞いたことないくらい怒りに満ちた低い声。

時が止まったようにすべてがフリーズして、一瞬にして身体が固まった。



そして、五条先生に抱きとめられてた。




「いい加減にしろ…。悲しくても辛くても生きててって言っただろうが…。」




え…?



五条先生の声がすごく苦しそう…

怒りも悲しさも悔しさも入り混じってる…

そんな声で言ったその言葉って…



ハッ…と我に返って顔を上げたら、五条先生と瞳がぶつかって、その瞬間、ものすごい勢いで夢で見た光景と過去の記憶がフラッシュバックした。




「ト……ム……?五条、先生……、ト…ム……?」



「やっと気づいたか…。やっと、思い出したか…?」



「五条先生…トム…五条先生…」




どういうこと…?

自分で言ったけど、自分で解いた謎だけど…

五条先生が、あの、トムって…


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