ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第20章 喘息と貧血と学校と
…ゴクッ
ベッド横の椅子には五条先生が腰掛けている。
自分が作り出してるだけだろうけど、五条先生と2人きりのこの病室には緊張感が張り詰める感じがする。
「喘息だって言ったよな?」
「え?」
五条先生が突然話し出すので瞬時に言葉が聞き取れない。
「喘息。お前には喘息があるっていうのはもうわかってるよな?」
「あ、はい。」
でも、
「あんまり覚えてないだろ?俺が説明したこと。」
自分で思うよりも先に五条先生に言われた…
「すみません…。その、ここに来てすぐは何が何だかよくわからなかったので、覚えてません…。」
「今から説明するから、よく聞きなさい。」
と言われ、わたしは少し背筋を伸ばして五条先生を見た。