ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第20章 喘息と貧血と学校と
「ひなちゃんは喘息という病気を持ってる。ずっと前から症状はあったはずだが、ちゃんと治療を受けて来られてないんであまりいい状態じゃない。それに、ひなちゃんの喘息は基本的に治りはしない。これからも付き合っていかないといけないし、命を落とすこともある病気だ。」
そんな……
治らないし、死ぬの…?
伸ばしてた背筋は縮んで、五条先生を見てた顔はうつむいてる。
「でもな、普段から気をつけて体調管理をしっかりして上手く付き合えば、健康な人と同じようにも過ごせる。」
そうなんだ。
よくわかんないけど、少し安心。
「喘息になる原因はいろいろあるが、ひなちゃんの喘息の原因がなんなのかははっきりしてない。ここへ来てすぐにした検査でも昨日の検査でも、原因を特定することはできなかった。ただ、アレルギーや天候、体調に左右されるから、それらに気をつけて過ごすことになる。今は少し症状が悪化してるから、とにかく安静にすること。」
そろそろ頭がパンクしそう。
だんだん、五条先生の言葉がわからなくなってきた。
「それから、貧血もある。貧血は身体が疲れやすかったり、目眩が起きたりするんだ。これは、しっかり食事をして、今飲んでる薬ももう少し飲み続ければ、そのうち改善するからな。」
なんかわかんないけど、とにかくやることがたくさんな気がする。
「…聞いてるか?」
で、結局どうしたらいいんだろ。
ずっと病院にいて、先生の言うことを聞いてればいいのかな…
「おいっ!」
ビクッ!
「は、はいっ…」
「俺の話聞いてたか?難しかったか?」
「いえ、大丈夫です。聞いてました…。」
と言ってみたけど、あんまり聞けてないことはバレてる。