ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第22章 ノワール学園中等部
学校に着いて車を降りると、目の前には綺麗で立派な校舎。
お城みたいな佇まいに思わず駆け出すと、
「おい!」
と、五条先生に手首を掴まれた。
「こら、走るな!さっき言っただろ、聞いてなかったか?」
「え?」
「はぁ…。車の中で言っただろ。走らない、こまめな水分補給と手洗いうがい、しんどくなったらすぐ先生に言う、終わったら連絡する。緊張して返事しないのかと思ってたら、やっぱり聞いてなかったか。」
緊張はしてたんだよ。
でも、全く聞いてなかった。
五条先生がしゃべってることすら気づいてなかった…
「発作でも起きたらすぐ連れ戻すぞ。」
「ご、ごめんなさい。」