ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第22章 ノワール学園中等部
そんなこんなでまずは校長先生のところへ行った。
五条先生が校長に挨拶して、わたしもご挨拶。
しばらくして、担任になる先生も入ってきて五条先生が挨拶して、わたしもご挨拶。
この学校の先生方にはわたしの事情がすでに病院から伝えられてるらしく、五条先生は改めてお願いしますって言いに来たみたい。
その様子をぼーっと眺めてたら、なんか、わたしの保護者みたいで、お父さんみたいだなーなんて思ってたら、
「…くん?…栗花落くん?」
「え?あ、は、はい!」
ぼーっとしてて、校長先生に呼ばれてるの気づいてなかった。
「おい、ぼーっとするな。ちゃんと話聞きなさい。」
また怒られた…、恥ずかしい…。
「勉強についていけないと思っても、補修など受けられるから心配はせんで大丈夫じゃよ。体調に合わせて学校に来たらよい。学校にいる間も、調子が悪くなれば遠慮なく先生方に伝えたらよいからの。そしたら、担任の先生と一緒に教室へ行きなさい。」
と仙人のような校長先生に言われた。
「はい。」
と返事をして校長室を出る。
そして、
「それじゃ、俺は病院戻るから。終わったら連絡するんだぞ。」
「はい。」
と言って、五条先生と一旦別れる。
ここで、初めて1人になって一気に緊張が増した。
担任の先生に付き添われて、恐る恐る教室に入る。
前に立って、先生に紹介された。
クラスメイトからの視線を一気に浴びて、緊張してうつむいたまま前が見れなくて、自分の名前も小さい声でしか言えなかった。