ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第22章 ノワール学園中等部
それから、始業式に参加して、教室に戻ってきて、HR(ホームルーム)を2時間ほどして今日は終わった。
終わった後、担任の先生から教科書を渡すからと少し待ってるように言われた。
「ひなのっ。」
ビクッ
誰かに呼ばれて顔を上げると、
「え?…な、夏樹くん!?」
一瞬誰だかわからなかったけど、そこには以前病室で一緒になった夏樹くんがいた。
わたしが倒れたりなんだかんだあった間に退院しちゃってて、ちゃんとお別れできてなかった。
「ずーっと下向いて、大丈夫か?」
「夏樹くん、なんでここに…?」
「なんでって、同じクラスだから。俺もこの学校に通ってる。」
そうだったんだ。
でも、知ってる人がいてちょっと安心。
だけど、夏樹くんなんか様子が…
「身長と声が、変わった?」
「あぁ。なんか、俺声変わり始まってさ。あと、4月の時から10センチ伸びた。そのおかげでなんか喘息も治ったんだ。」
「え?喘息って治るの?」
「俺は小児喘息だったから治ったぞ。ひなのは違うのか?」
「わかんない…、けど、五条先生に治らないって言われた。」
「そっか…」
なんて話してると担任の先生が来て、
「これ、栗花落さんの教科書なんだけど、重くて持って帰れないわよね?」
机に置かれた全教科分の教科書。
たしかにこんなのとても全部持って帰れない。
「あ、先生、俺持ちますよ。今日部活ないしひなの送っていきます。入院中部屋同じでひなののこと知ってるんで。」
「あら、そう!それは頼もしいわ。そしたら工藤くん、よろしくね。」