ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第24章 五条先生の提案
「そのうち治るって言われて、もう1ヶ月も続いてる。どうせ体力もそんなについてないんです。学校でも1番小さい。というか、1人だけ小学生みたいだから友達だってできないし。ごはんたくさん食べてるのに全然大きくならない。喘息も貧血も出てないのはきっとたまたまです。そのうちまた発作が出て倒れるのかも。はぁ…。」
…あ。
何も考えずにしゃべっちゃった。
五条先生いるのに、どうしよう。
「なぁ。」
「ごめんなさい…」
なんか怒られるかもと思って、とりあえずごめんなさいと口にした。
「顔上げて。」
はぁ…と心の中でため息をついて、ベッドの横に立つ五条先生を見上げる。
「勝手にマイナスになるな。身体は元気なのに心が元気じゃないか?」
あれ?
全然怒ってない。
むしろ、優しい五条先生。
「ここに運ばれて来てからもう半年だ。来た頃と比べて元気になってると思わないか?身長も伸びて体重も増えて、1ヶ月以上発作を起こしてないし、熱だって出してない。ちゃんと成長してるだろ?人と比べてネガティブになるな。心が弱ると元気な身体まで弱ってくぞ。」
たしかに、ネガティブに考えてると身体も元気がなくなっていく気がする。
でも、また身体が弱ったところで、いまさらって感じもする。
だって、
「身体が元気だろうが弱ろうが、わたしってずっと病人だし。ずっと入院だし。このままずっと病院にいるんだし…」
どんなに元気で学校行っても、帰ってくるのは病院。
わたしは一生患者として生きていく。