ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第25章 退院
「あの、五条先生のお家ってここからどのくらいですか?」
「ん?すぐだ。」
地下の駐車場で五条先生の車に乗り込んで、そういえばと思って聞いてみた。
すぐか。
朝も夜も早かったり遅かったりするから近くに住んでるんだな。
「シートベルトしたか?出発するぞ。」
「はい。」
と言って、病院の駐車場を出てからほんの3分ほど。
「ついたぞ。」
…えっ?
近っ!!
五条先生が車を止めたのは、屋上からも見えていた病院の斜め向かいの方にあるマンションの駐車場。
車で3分とはいえ、信号に引っかからなければ1、2分でも着きそうな距離。
学校よりも近くて、たぶんわたしの足で歩いても7、8分あれば着きそうなくらいすぐそこだった。
ポカーンとしながら車を降りて、綺麗なエントランスを抜けてエレベーターに乗る。
そして、五条先生が鍵をかざすと勝手に行き先階のボタンが光って、わたしはまたポカーンとなる。
そうこうしてるといつの間にか玄関の前に来ていて、五条先生がドアを開けていた。